さて、便秘でお悩みのお客様で多いのが
「お薬はダメだと聞いたので、ハーブティーを飲んでお通じを出しています。
お茶は自然の成分だし、大丈夫ですよね」
とおっしゃる方。

う〜ん・・・大丈夫かどうか・・・は、ハーブティーによりますので一概には言えません。
いや、便秘やデトックス、ダイエットに効果をうたっているお茶って、大丈夫じゃない場合の方が多いんじゃないでしょうか。
というのが、私の今までの経験からの実感です。

センナ、キャンドルブッシュ(ゴールデンキャンドル)などが使われているハーブティ(センノシドという成分入りのもの)には
くれぐれもご注意をいただきたいです。

というのも、これらのものを長年服用してお通じを出す習慣のついている方の便秘は、いざ改善したい!と試みてもなかなかこれが、頑固だからです。
とにかく腸が動かない!というのが印象・・・。
施術を繰り返しても、腸が動き出すのに時間がかかることが多いように思います。

センナには大腸の神経を刺激する成分が含まれており、その刺激によって排便を促す作用があります。
いわゆる、大腸刺激性の下剤です。同様のものとして大黄やアロエなども挙げられます。

それら刺激性の下剤成分を含んだもの(実は市販薬のプルセニドやアローゼンなども同じです)を長期間使用すると、大腸に色素沈着(大腸メラノーシス)が生じることがあり、実際にこうなると、大変やっかいなのです。
なぜなら大腸に色素が沈着すると、大腸の筋層にある神経細胞がダメージを受けてしまうからです。

最初は効きすぎるほどに効いていた下剤でも、使い続けるうちにだんだん効かなくなるのは副作用で大腸の神経の機能が低下(悪化)するからに他なりません。
大腸を動かしている神経細胞がダメージを受ければ蠕動は悪化し、ますます便秘に拍車がかかるのですね。
つまりは、自分で動けなくなるため自分で出せなくなる、ということです。
こうなると結果的に、薬でも出せない、ということに・・・ 
これは大変です。

便秘に効果があるとうたっているハーブティーや健康茶などは
「自然の生薬だから体にやさしい」
「自然の成分だから副作用も少ない」などとして売られているものが多いのですが
実際には大腸刺激性の下剤と変わりませんし、長く飲み続けて良いものではないのです。

実際に、センナ入りのハーブティについては国民生活センターが2014年に過剰摂取の注意文をだしていますのでご覧になってみてください。参考まで・・・。
http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20140123_1.html

長年、「ハーブティなら大丈夫」として、ハーブティに依存した排便をしてこられた方の腸は、動くことを忘れちゃってる感があります。
腸揉みをしても、動かない。
そうなると、お茶依存から脱却し、自ら出すというところまでは大変長い長い道のりを要します。

揉んでもウンともスンとも動かないお腹に触れると、複雑な思いにかられます。

本来であれば、出せなくなった原因を考えて改善することで、出せる身体に戻ればよかったはず。
原因は必ず自分が作っていますから、できることです。

でもその時に「なぜ便秘なのか?」という原因から目をそらして
「お茶を飲んだら出るからいいか♪」と楽な方法へ依存しまったわけですよね。

だからこそ、その代償は後から大きくなることを知っていたら、きっとこうはならなかっただろうに。。。と思うのです。